Root Canal

根管治療

 
歯を抜かずに
機能を残す治療

「根管治療」は、虫歯や感染によって炎症を起こした歯の神経(歯髄)を取り除き、内部を消毒・封鎖することで、歯を抜かずに機能を残す治療です。
ただし、従来の保険診療による根管治療は、肉眼での処置となるため、複雑な根の内部を正確に処理することが難しく、成功率は40%前後といわれています。

そこで登場したのがマイクロスコープを用いた「精密根管治療(マイクロエンド)」です。
拡大視野で根の内部を確認しながら、感染部分を徹底的に取り除くことができるため、治療の精度と成功率を大幅に高めることが可能になりました。

精密根管治療とは

難治性の症状への精密根管治療について

内歯には細い根管が複数存在します。一つ一つの根管はとても細い場合もあり、根管の奥に存在する細菌まで殺菌消毒を行うことは困難を極めます。
一般的な治療では、大きな主要根管部分のみの洗浄しか出来ません。しかし、レーザーを活用することで歯の根管の奥まで入ってしまった細菌もしっかり除去できます。当院ではエルビウムヤグレーザーとCO₂レーザーの2種類を活用した治療を行なっております。
エルビウムヤグレーザーとCO₂レーザーはそれぞれ得意分野が異なるため、用途に応じて使い分けております。

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保険の根管治療は再発しやすい

保険が適用される一般的な根管治療では、肉眼で根管内を確認しながら手探りで感染部分を除去していきます。この方法では視野が限られるため、健康な部分を傷つけてしまったり、感染した組織を取り残してしまう可能性があります。
実際、保険診療の根管治療では、根管内を十分に消毒できる割合はおよそ65%程度といわれています。仮に感染部分を取り除けたとしても、使用できる材料や治療工程に制限があるため、再発のリスクが高いのが現状です。
わずかな隙間から細菌が侵入すると、根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)が再発することがあり、その再発率は約80%にのぼるとも報告されています。
再発後の再治療(再根管治療)は難易度が高く、成功率も低下する傾向にあります。
そのため、保険診療で根管治療を行う場合には、定期的なメンテナンスや早期の再診が重要とされています。

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ラバーダム防湿で無菌状態を維持

根管治療を成功させるためには、治療中に細菌を根管内へ入れないことが非常に重要です。
そのために使用するのが、「ラバーダム防湿」という専用のシートです。
治療する歯のまわりをゴムのシートで覆い、唾液や細菌が侵入しないように隔離することで、無菌に近い状態で精密な処置を行うことができます。
ラバーダム防湿は、海外では根管治療の基本とされており、再感染の防止・治療の成功率向上に欠かせない手法です。

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根管治療の特徴

1.

精密根管治療成功率
96.7%

マイクロスコープ、ラバーダム防湿と、レーザーを用いた精密根幹治療は、96.7%の成功率です。

2.

マイクロスコープで
よく診る治療

患者さまの口内を最大31.25倍まで拡大して見ることができ、これは従来の拡大鏡の5〜10倍もの拡大率です。

3.

2つのレーザーを駆使し
感染部分を殺菌

ヨシダ社製のCO2レーザーと、モリタ製のエルビウムヤグレーザーを採用しております。レーザーが患部の治癒を促進させるため、治療期間が短く済みます

4.

レーザーと人工骨で
術後の経過も良好に

根管や膿を除去すると、一時的に顎の骨の中に小さな穴が空いている状態になります。 そのままで自然に塞がることもありますが、当院ではより確実に骨を再生させるために人工骨・人工膜を入れ、治癒を促進させます。

根管治療の特徴
保険診療 精密根管治療(マイクロエンド)
細菌感染の除去 目視で歯の状態を確認
針のような器具で細菌を取り除く
細菌除去の精度は65%程度
マイクロスコープなどで歯の状態を細かく確認
レーザーや超音波器具などで丁寧に細菌を取り除き、薬剤で洗浄
精度が高く、細菌除去率を極限まで高めることができる
根管の封鎖(充填) ゴム製の材料で詰める 必要に応じて、MTAセメントなどの封鎖性の高い充填剤を用いる
支台築造 金属のコア(土台)を用いる グラスファイバーの本数も最大本数使用
象牙質の接着が可能な最適材料を選択
被せ物 保険適応内の被せ物(銀歯など)を使用 院内技工所で一つひとつ歯に合わせて作成するため 天然歯のような隙間のない、外れにくい被せ物を使用できるので
磨きやすく虫歯になりにくい
再発率 再発しやすい。再発した場合は悪化するケースが多い 再発しにくい
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精密な診査・診断

初回のご来院では、まずお口の状態を丁寧に確認します。 同じような症状でも、原因が歯の中(神経)にあるのか、 それとも歯ぐきなど周りの組織にあるのかによって、治療の方法が異なります。 正しい診断を行うためには、症状の根本的な原因をしっかり見極めることが大切です。 そのため当院では、さまざまな検査を組み合わせて、 お口の状態を詳しく調べるようにしています。

  • 触診法
  • 打診法
  • 歯の動揺度と歯周ポケット検査
  • 温度診
  • 歯髄電気診
  • 透照診
  • エックス線検査
  • 麻酔診
  • 切削診
  • 咬合力検査(咬合診査)
  • 嗅診
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無菌的処置(ラバーダム防湿)

根管治療では、新たな細菌が根管内に入らないようにすることがとても大切です。 そのために使用するのが「ラバーダム」と呼ばれるゴム製のシートです。 治療する歯だけをラバーダムで覆い、唾液や細菌が根管に入らないように隔離します。 これにより、無菌に近い環境を保ちながら、他の器具や薬剤が口の中に触れないよう守ることができます。 ラバーダムを用いることで、清潔で安全な治療環境を整えることが可能になります。

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細菌の除去

次に、感染している歯の内部(根管内)を丁寧に清掃します。 保険診療では「リーマー」「ファイル」と呼ばれる細い器具を使って、 感染した神経や細菌を取り除き、根管の形を整えます。 しかし、肉眼での処置には限界があり、約65%ほどしか完全に消毒できないともいわれています。 一方で、自費診療の精密根管治療では、マイクロスコープを使って歯の内部を拡大し、 レーザーや超音波器具で細菌を徹底的に除去します。 より高い精度で細菌を取り除けるため、再発リスクを大幅に減らすことができます。

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根管充填(こんかんじゅうてん)

感染した組織を取り除いたあとの根管は、内部が空洞の状態になります。 このままにしておくと、細菌が入り込み再び繁殖してしまい、虫歯や炎症の再発につながる恐れがあります。 そのため、洗浄と消毒を終えた後は、専用の充填材をすき間なく詰めて密閉します。 これにより、細菌の侵入を防ぎ、再発を予防することができます。

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経過観察

治療直後は痛みが消えて治ったと感じられる方であっても、細菌の繁殖から痛みが再発する可能性があります。 病状によって根管治療後の経過は異なります。 長期的に病状の変化を細かく確認していくことが重要です。

治療期間の目安

個人差はありますが、治療回数の目安は2〜3回です。

感染部分を取り除いた後、治癒傾向が認められたら修復治療を進めます。

しかし、炎症が収まり、組織が回復して治療時の傷跡もなくなるまでには、一定の期間が必要です。

経過は症状により異なるものの、完治(傷跡が完全になくなる)までの目安は、以下の通りです。

抜髄のみ 3〜6ヶ月 感染根管治療 6ヶ月〜1年

根管治療の費用

根管治療
保険診療
精密根管治療
¥132,000~¥187,000
破折・リーマー除去
1本 ¥33,000
MTAセメント
¥33,000
グラスファイバーコアー
¥33,000
ゴールドコアー
¥33,000~¥55,000
各種クラウン
¥143,000~¥231,000

自由診療(保険適用外)、物品のご購入に各種クレジットカードをご利用いただけます。
デンタルローンのご利用を希望される方は、ご相談ください。